うちの子は自分で歯磨きできないから私が代わりにしてるんです。という人に聞いてほしいこと。

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こんにちは。

 

歯医者の仕事をしていると、いろんなお母さんに出会います。

歯医者に子供を連れてきてくれているので

その多くはむし歯予防のことを真剣に考えられているし、

中には、自分が子どもの頃にむし歯で大変な思いをしたから

子どもには同じ想いをさせたくないということを

言われる方もいらっしゃいます。

 

だからこそ忙しい時間の合間を縫って

歯医者に定期的に連れてきてくださっているのでしょう。

毎月毎月きちんと連れてきてくださるのは本当に頭が下がるし、

母親って大変だなぁなんて他人事ながらに思ったりしながら診察をしています。

 

さて、ある日の診察でこんなことがありました。

 

その子は1~2か月に1度の頻度で定期検診に来てくれている子です。

こちらの話もよく聞いてくれるし、

聞いたことにはきちんと答えてくれます。

身なりもきれいであいさつもきちんとできる、

非常に好感の持てる礼儀正しい子です。

 

ですが、なぜか歯みがきだけは毎回うまくできていないのです。

 

もう6年生だし、自分のことはある程度きちんとできる年齢のはずなのに、

そしてその子の性格的にきちんとできておかしくないはずなのに、

なぜか口の中には汚れがべったりくっついて残っているんです。

 

このままじゃせっかく定期検診に来てくれているのに、

むし歯ができてしまう可能性が非常に高いのです。

 

これはまずいと思い、

その子に家での歯磨きについて聞いてみました。

すると、歯磨きに関しては、

自分ではほとんどしていないとのことだったです。

 

「え、なんで歯磨きしてないの??」「歯みがきはお母さんがしてくれるから。」

「あれ?いま6年生だよね??」「うん、そうだよ。」

いまいち家の中での話がみえてこないので、

その子の母親に詳しい話を聞いてみました。

 

すると、こんな答えが返ってきたのです。

 

「いや、先生ね。うちの子どもは自分で上手に歯磨きをができないんですよ。

だからね、私が毎日仕上げ磨きをしてあげないといけないんです。」って。

 

いやいや、本気で言ってます?って思いましたよ。

普通に考えてそんなわけないですよね。

6年生で自分で歯磨きできないとかないんですよ。

 

「お母さん、あなたが6年生の頃、歯磨きできなかったんですか?」

なんて言ってみようか、ほんと口元まで出かかりました。

 

でもこういうタイプのお母さんっていうのは身近に結構いるもので、

単に、「このお母さんクセモノだなぁ」で終わらせられないんです。

 

そのお母さんは比較的気が強いタイプで、

「私がいないとうちの子はダメなんです」、

という考え方をされていました。

 

定期検診に来られているので、むし歯予防の意識は高いんです。

 

意識は高いんですが、それはその「お母さんの中でだけ」、

意識が高い状態になってしまっていたんです。

 

いわゆる一昔前のステレオタイプな教育ママですよね。

 

「確かに虫歯にならないようにするためには仕上げ磨きは大切なことですよね。」

とこちらが言おうものなら、

「そうですよね!なのにこの子ったら自分でやらないもんだから…」

と返事を返してくる具合です。

 

でもこれって、完全にお母さんのせいで子どもが磨かなくなっているケースです。

子どもが磨かないようになっちゃってるのは、正直お母さんのせいなんですよ。

 

その男の子の顔色を見ていると、お母さんの横ではうつむき加減で、

母親が話しかけても母親の顔は見ないようにしていました。

思春期?そうかもしれないです。

でもたぶんお母さんのことを嫌がっています。

 

このお母さんの最大の問題は、

子供のために自分が仕上げ磨きをしないといけない、というふうに、

「母親としての義務感」「自分の生きがい」

になってしまっているのです。

 

子供からすると、歯みがきなんて本当は自分でできると思っているはずなんです。

でもお母さんは自分のためにしてくれているからこそ、

何も言い返すことができないんだと思うんです。

 

だいたい6年生の子なんてもう大人ですから、

親の会話や顔色や背中をきちんとみているし、

親の世話になっていることなんてわかっているんですよ。

 

だから親に「あんたのために」って言われると

何も言い返せなくなってしまうんです。

 

「もういいから!」って言い返そうものなら

「じゃあ勝手にしろ!」って怒られる。

自分でやるって言ってるのに怒られる。

その理不尽さが積み重なっていくとどんどん心はふさぎ込んでいきます。

 

その子どもがそのまま大人になるとどうなるかというと、

何かの選択をする場合、常に過去に母親の顔がちらつくようになります。

 

なにか新しいことを始めようとしても、

母親がなんて言うかな…とか無意識に思うようになります。

母親の顔色が価値観の中心に据えられてしまい、

知らず知らずのうちに母親に縛られ、

自分の羽根におもりが付いてはばたけない。

 

そんな大人になってしまう可能性が非常に高いのです。

 

そしてこの悪影響は、子どもに対してだけではなくて、

お母さんにとっても悪影響があります。

 

一見すると、お母さんは子供のためにできることを頑張っている

すごく子ども思いのお母さんに見えます。

 

でもこれが繰り返されていくと、

お母さんの方も子供の人生に介入することが生きがいになってしまい、

自分の人生を生きることができなくなってしまいます。

 

その代表的なものとしてよくいわれるのが、

子どもが巣立った時に何をすればいいかわからなくなる、というものです。

 

これは「空の巣症候群」といいます。

 

子どもが成長して巣立った時、親としての役割が失われたような感じになり

虚無感や孤独感を覚え、最悪、心や体の不調を訴えることもあります。

 

この最大の原因は、自分の生きがいを他人に求めてしまった、という点にあります。

このお母さんの場合は、自分の存在価値や生きがいを、

子育てに依存させてしまっているということです。

 

そして、この関係で注目するべきことは、

母親にとって子どもが、「自分がいないと何もできない子ども」

でいないと成り立たないという点です。

 

お母さんは子どもの将来を考えていると言いながら、

心の奥底では、「自分がいないと何もできない子ども」でいてほしい。

自分の自尊心を満たすためには、子どもが巣立ちしたら困るんです。

 

ピグマリオン効果といって、

人は期待されたとおりの人になりやすい、

という心理学の考え方があります。

 

この子は将来学者さんになるとか、言われたら学者さんになるし、

優しい人になるとか言われたら、優しい人になる、みたいなやつです。

 

でも歯医者に来ていたこの子は、

母親から「自分ではできない」っていう言葉がけをされてますね。

ピグマリオン効果の視点からすると、負の期待をされているわけです。

 

それは、母親の「自分がいないと何もできない子ども」でいてほしいという思いと、

「私はこの子のために頑張っている」という自己承認欲求からくるものです。

 

これって、子どもの可能性を潰していますよね。

 

僕ほんとこういうの嫌で、

なんでこういうことが平気でできるのかわからないんですよ。

自分の子どもの可能性を潰すようなことして

何がしたいんだって思うんです。

 

この母親は、この子が将来サッカー選手になりたいっていっても、

あなたにできるわけないじゃない、とかたぶん言うし、

そんなこと言ってないで勉強してればいいの、とか、

そういう夢を潰されるようなつまんないことを言われ続けるんでしょう。

 

「子供のため」っていう悪魔の言葉を使って、

自分の支配欲と自己承認欲求を満たしている。

 

それがこの問題の一番の根の部分になります。

 

その結果、子どもは常に母親の支配下にいて、常に行動を監視されてたわけなので、

常に母親の顔色をみて正解を求める思考になっていくだろうし。

新しいことやろうとすると、必ず母親の顔色を想像して正解を求めるようになります。

でも正解なんてないから、結局なにもできないまま歳を重ねていくことになります。

 

これは親が子どもからエネルギーを奪ってしまう典型的な構図です。

ちなみに親が子どものエネルギーを奪い取ってしまうのを、

吸血鬼からとってエネルギーバンパイアと呼んだりします。

 

要は毒親です。

 

このお母さんと子どもが将来どうなっていくかはわかりませんが、

少なくとも今のままの親子関係が続いていったとすると、

子どもは自分に自信が持てずに新しいことにも積極的になれず、

お母さんは空の巣症候群に陥る可能性が非常に高い。

 

結局、子どものためにって言いながら、

その親が子どもの可能性を信じてあげることができてないってことです。

 

「子どものために」と「自分のために」はごっちゃにしてはいけないんですよ。

 

つまるところ、子どもを育てる、子どもの未来を信じるということは、

まだ形になっていない魅力・ポテンシャルを信じるということだと思うんです。

 

そもそも、はじめからなんでもできる子なんていないんですよ。

 

赤ちゃんははじめ何もできませんよね。泣くことしかできない。

でも、少しずつ手を動かせるようになって、寝返りがうてるようになって、

言葉を話せるようになって、立って歩いて走れるようになる。

 

そうやって人はできることを増やしていくわけです。

そして、それを僕らはあたりまえのように信じてますよね。

きっと歩けるし、きっと走れるし、きっと話せて、賢くなるって信じてますよね。

 

それは正のピグマリオン効果だと思うんです。

 

小さい頃は、この子はできるようになるって信じてきましたよね。

僕もいまむし歯の治療ができない子どもでも、必ずできるようになるって信じています。

そしてやっぱりその通りになっていくものなんですよ。

それは成長かもしれません。でもなっていくんです。

 

大人がなんでも手助けしていたら、子どもは将来何もできない大人になります。

 

僕ら大人のできることって、子どもができるようになることを信じることだし、

できるようになるサポートや環境づくりをすることだけだと思うんです。

子どもの未来を信じるということは、この子はきっとできるようになると信じることだし、

この子には未知の無限の可能性があるということを信じるということだし、

どんな年齢になってもできることはどんどん増やしていけるんだってことを

背中で見せ続けていくことだと思うんです。

 

大人が成長しないのに、子どもが成長するわけないんです。

大人が楽しくやっているから、

子どもその姿を見て素直に楽しめるんだと思うんです。

 

僕は、やっぱりすべての子どもには未知なる可能性が秘められていて、

それがこれから開花していくことを信じていたいし、

どんな人にでもまだ形になっていない魅力はたくさん隠れていて、

それを見つけ出して形にしていきたいと思っています。

 

そのために、言葉の力や文章を書くスキルなどを学び続けています。

新人教育にも熱を入れる傍ら、常に初心者の気持ちで学び続けています。

そして自分が楽しく過ごしている姿を見せることが、

周りの人たちに影響を与える方法だと信じています。

 

一人でも多くの大人が周りの子どもや人の可能性を信じてあげてほしい。

そして自分自身の可能性を信じて、

自分自身の人生を歩んでいってほしいと。

 

そう思います。

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