心に貯金をするコミュニケーションのススメ

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子供の治療は難しい??では、言葉使いの大切さについてお話しました。

はじめて歯医者に行く前に

今回は、治療後の言葉がけについてお話していきましょう。

 

一人の女の子との想い出

 

これは僕が歯科医師として駆け出しだった頃のお話です。

そのときの患者さんは小学校4年生の女の子だったと思います。

その子は比較的虫歯のできやすい子で、

春休み、夏休み、冬休みごとに検診にきてくれるのですが、

毎回どこかしこに小さな虫歯を作ってくるような女の子でした。

 

その日は夏休みにしては比較的のんびりした一日で、

診療室もゆるやかな雰囲気だったと思います。

その子の口の中を見たとき、永久歯には虫歯はなかったのですが、

奥のほうの乳歯に少し黒ずんだ中くらいの大きさの虫歯ができていました。

 

小学校4年生ということもあり、

もうすぐ抜け替わるはずの乳歯なので放っておいてもいいのですが、

あんがい根っこがしっかりしていてまだまだ抜けそうになかったので

念のため治療をしておくことにしたのです。

 

いつも定期的に検診を受けてくれている。

虫歯治療も何回も受けたことがある。

だからきっと上手にできるだろう。

そんな風に気軽に考えて治療を始めようとしていました。

 

そのときの僕はまだまだ駆け出しにも関わらず、

少しずつ治療ができるようになっていたので、

どこか気持ちに驕りがあったのかもしれません。

とくに何も意識せず、虫歯を削る前の麻酔注射をしていきました。

 

そのときです。

 

いままでは笑顔で話していた子が、麻酔をしたとたん涙を流し出したのです。

 

あわてる僕。

 

毎日虫歯を削って麻酔をしている僕からしたら日常の一コマだったのですが、

その子は久しぶりの歯医者さん。

 

ふだんどれだけ上手に治療を受けることができたとしても、

とつぜんの麻酔の注射はびっくりするし、そもそも注射なんて嫌だろうし、

久しぶりの虫歯の治療で緊張があったのかもしれません。

 

それを当時の僕は見抜くことができず、なんの配慮もできませんでした。

 

気まずい空気のまま治療を終え、次回の予約をとることに。

 

そんな空気を読み取ってくださったのか、

そのとき後ろで見ていた師匠の先生があることをしてくれて、

場の空気は一瞬にして和んだのです。

 

「○○ちゃん、今日はよく頑張ってたねぇ。また次も遊びに来てな。

はい、握手。治してくれた先生とも握手。」

 

といって、先生はその子と握手をし、そして僕にもその子と握手をさせたのです。

そうすると不思議なことに、さっきまで泣き顔だった女の子がにっこり微笑んでくれたのです。

 

張り詰めてた緊張の糸がほぐれたのかもしれませんし、

どこかこっぱずかしかったのもあるでしょう。

とにかく、さきほどのどこか重かった空気が穏やかになり、最後は笑顔で帰っていったのです。

 

子供の心に貯金をして帰す

「子供はどうしても治療中に泣いてしまうことがある。

それはどれだけ気を配っても一定の割合でそういうことは起こる。

もちろんそれを注意することは大事だ。

だけどそれ以上に大切なことは、泣いた子供を泣いたまま帰さないということだよ。」

 

師匠の先生に教えていただいた大切な心構えです。

 

先生はこれを「子供の心に貯金をして帰す」とおっしゃっていました。

 

終わりよければすべてよし?

 

もちろんすべてが、

終わりよければすべてよし、とまでは思っていません。

 

歯医者の治療ですから、歯を削ることもありますし、

そのときには麻酔をすることもあります。

場合によっては歯を抜かないといけないケースもあるでしょう。

なかには当然、泣いてしまう子供もそれなりにいるわけです。

 

そんななか、泣かせないことだけにフォーカスしていてはしんどいだけです。

そのときの僕はどこか張り詰めた空気感を出して治療していたように思います。

 

もちろん一定の緊張感は必要です。

 

それでも、泣いてしまったならどうやってあとでフォローしようか。

と考えることができるようになってから、

僕は診療に対していい意味でリラックスして臨めるようになったと思います。

 

終わりよければすべてよし!

「治療後のフォロー」

こう書くとどこか無機質な感じがしてしまいますが、

「子供の心に貯金をして帰す」

こう書くことでどこかあたたかみがでるように思いませんか??

 

これはなにも歯科医師だけに限った話ではありません。

お母さんお父さんにこそ実践してほしい心構えだったりするのです。

 

治療後に泣いている子供をそのままにしてしまうのではなく、

頑張ったことをしっかり伝えてあげて、場合によってはご褒美をあげたりしてもいい。

ご褒美がキャラメルとかでなければなんの問題もない笑

 

僕の師匠の先生がされていたのは、握手をして帰す、ということでした。

僕はいま、最後にマスクをはずして笑顔を見せ、

頑張ったことをほめてあげ、握手をしてコミュニケーションを終える。

ということをしています。

 

歯科医師ってそもそも、マスクをしているので表情も見えずらく

どこか冷たく、怖いようなイメージを持たれてしまうと思うので。

これは僕なりの一工夫です。

 

家に帰るまでが…

家に帰るまでが遠足だ。ではなく、

家に帰るまでが歯医者の治療だ。

 

こう考えると、決してチェアの上だけで完結させてはいけないと思うのです。

泣いてしまう子供をそのままにすることは、歯医者さんは嫌なことをする人だ、

という想いのまま帰してしまうことにつながります。

 

マスクをはずして、頑張ったことをほめてあげ、

握手をして、コミュニケーションを終える。

 

この一手間をかけることによって、

多くの子供の嫌そうな表情はだいぶ緩やかになってくれています。

さっきまで泣いていたのに、最後には笑顔になって帰っていく子もいるくらい。

最後に笑顔にしてから帰ってもらうことで、次回の診療にもつなげることができる。

 

少しずつですが、「子供の心に貯金をして帰す」

という心構えがわかってきたように思っています。

 

ほんの一手間です。

 

ほんの一手間をかけることが、

その日の診療を成功で終わらせられるかどうかを決め、

次回の診療をスムーズに進められるかどうかの鍵になるんです。

 

治療を終えた子供たちに向かってどんな対応をとりましょうか。

泣いてしまったことを恥ずかしいと言って責めるのか。

よく頑張ったといってほめてあげるのか。

 

お母さんたちの対応は、驚くほど、この2種類に分類されます。

僕ら歯科医師としても、言葉がけを重々意識する必要がありますし、

それと同じくらい、お母さんやお父さんも言葉がけも意識する必要がある、

僕はそう考えています。

 

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